社会人になって初めて家を出るということ

“私は小学校、中学、高校、大学を経て、22歳の時に問題なく就職することができました。
大学卒業、就職するまで、私は地元を離れて住んだことがありませんでした。
就職を機に、私はずっと住んでいた宮城県を出て、東京で住むことが決まりました。
確かに私はずっと宮城県に住んでいたい!と思っていたわけではなく、
どちらかというと早く宮城県以外で住む世界を見てみたいと思っていました。
就職を機にその願いが叶うことになりました。
私自身は東京に住める。ようやく一人暮らしを経験できる。といった嬉々とした思いばかりが強かったです。
実際、引っ越しの日、家族は総出で宮城県からはるばる陸路を使い、車を持ってきてくれ、私の引っ越しを手伝ってくれました。
引っ越しが終わり、家族は引き上げ、さぁ私の一人暮らしがとうとう始まります。
そのときの喜ばしい笑顔の裏に、寂しさが表れていた母の顔が今でも忘れられません。
玄関が閉じられ、一人になった私は、私が喜々としていたことを恥じました。
少なくとも母は私が家から出て行ってしまうことを悲しんでいるんだと、そう思いました。
私は改めて家族というものの大事さを再確認することができました。”